tohokuaikiのチラシの裏

技術的ネタとか。

吉兆の食べ残し、たらいまわし事件

大学時代に、先輩が仙台の老舗料亭の若旦那で(というか、実質トップ)、よく皿洗いに行ってた。

先輩は、大学卒業後に吉兆で3年間修行して、それはそれは大変な苦労だったらしい。バブルの頃だったから、吉兆なんて調理場に入るのもどこぞの大きな料亭の紹介が無ければ無理だっていう状況。だから、入ってきたのは、みんな老舗料亭の跡取りとかだったようだ。

だからかどうか、入って同僚が3日で居なくなったり、半年経つと半分になってたりとか聞いた。

だいたい、給料なんてのがあってないようなもので、料亭に勤めてるのに休日の食事はパンの耳とか。

1年目は、洗い場ばっかりだった先輩も、3年目が終わる頃には
「もうここで学ぶことは無い」
ということで、仙台の料亭に帰ったそうだ。

「学ぶことは無い」っていうのは、後輩が入ってきて自分が指示を出せる立場になったからで、そうなると格段に楽になるんだそうな。そんな立場なら自分の料亭に帰ればいくらでもできるわけで、それでもう吉兆で修行を続けることもないというコト。


で、
気持ち悪くなりました 船場吉兆|思うように資金調達ができない方へ

表に出なかっただけで、高級料亭では、けっこう使いまわしの上手い技術も持っていて、
使いまわしは常識なのかもしれないと思ったのですが、これは考え過ぎでしょうか。

少なくとも、この先輩の料亭ではそれは無い。

だって、私が学生時代に皿洗いに行ってた時は、手付かずのものを片っ端から食べてたし。もう、湯葉団子20個とか、半年湯葉食べたくなくなったぜ。

刺身も、下げられてきたのを冷ごはんの上にどんどんと盛っていって、皿洗いが終わった頃に「海鮮丼」とかいって食べた。これがめちゃうまい。労働の後だしな。あんまりそんなことを繰り返してたら、板場の料理長が

「伊藤君、たまにはちゃんとした刺身食べなよ」

って言って、刺身の切り落としをくれた。あれはまた格別の味であったなぁ・・・・・。

でも、一番いいのは、仲居さんが取っちゃうんだよね。だからウニとか降りてこないの。残念。